父からの言葉
これ程の確信を以て強引に様々な事を進めているが、それは後押しあっての事。
輪々華の父の声が聴こえた事がある。二度。
一度は特別な時でない。軽い拍子で《とめてくれ》
何をか。彼女は自動車免許を取りたがっていたのだ。言われなくとも止めますので。世界全人類の為。これは与えられし使命である。
二度目は最近つい先日、輪々華が救助を求めて来た時。
《行け》頭の中に反響する大声だった。
写真で顔は知っている。瞬きした時に顔が目の前にあった。
霊の顔や声にはどうしても恐怖感が出る。恐怖感はこの時、丸で無かった。
コンタクトが取れていない時でも後押しがある事を、常に感じる。
輪々華の側は父が生きているものとし、話をしている節がある。