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率直に申します。
何度か意思を以て天に送る事を考えました。苦しませたくないからです。
今すぐそこに安心しきって無防備に寝ていますが少し、頚を圧迫すれば死にます。苦しむ隙も与えずに済みます。
ちょっと抑えて濡れた新聞紙でも顔に被せれば、死にます。ビニール袋で頭部を覆えば 或いは俯せにしてベッドに押さえつければ死にます。弱い。簡単です。
その場合は周囲に迷惑を掛ける積もりはありません。充分迷惑ではありますが極力、面倒を掛けぬ算段をつけています。
時折苦しむ姿が現時点で壮絶です。それにしても未だそんなに痛くない、未だ耐えられると言う。短時間とはいえ意識喪失し、また痛みで起きています。
神経ブロックは状態により病院で受けています。即した鎮痛剤も処方されます。服用は未だしないと言い、最近は食欲がある振りをします。本当に元気かどうか判別はしにくい。
苦しませたくない一心です。
一年をまずは共に生きる事を考える一方で、悪だとされる事を考えます。尊厳を持たせる事は悪ではない。何も知らない、法律を粘土の様に捏ねて固めている者々に解るまい。
輪々華はこの逡巡について感知しています。互いに以前よりは視えます。